書籍・雑誌

2013年6月24日 (月)

「赤い追跡者」(新潮社) 出版

赤と黒を基調とした表紙が気に入っている。

帯は報道サスペンスとなっている。

サスペンス小説と位置付けられているのでしょう。

田原総一朗さんが「推理小説よりも面白い」と帯に書いてくれた。


「赤い追跡者」(新潮社)を書き上げるのに、足掛け三年余り。
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前作「ガラスの巨塔」以降、次の小説はまだですかと
多くの方から声をかけて頂きながら随分時間がかかってしまった。

小説家の体質になるための時間と言い換えてもいいかもしれない。

かなり多くのものを捨てなければ、小説は書けないということを思い知った。

今後は小説家稼業に傾斜していければいいのだが、困難な道だ。

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2011年3月10日 (木)

ドラッカーの「マネジメント」を読みふける

ピーター・ドラッカーの「マネジメント 課題、責任、実践」

を繰り返し読んでいる。

私は経済人ではなく、もはや組織人ですらないが、

極めて興味深い。

経済書というよりは、思想書である。

書かれている価値観は、私も似たようなことを思っているが、

言葉として断定できることがすごい。

経済という不確実なものに、揺るがぬ言葉を発することは

たいへんなことだろう。

1973年に書かれた著書だ。

すでに40年近くが経過している。

普通なら、この分野はたちまち色あせるだろうに、

普遍の真理をいくつも突いている。

気に入った言葉を要約してみる。

「企業の目的の定義は一つでしかない。

市場と顧客の創造である。

利潤の追求は条件であっても目的ではない」

「顧客は製品を買っていない。欲求の充足を買っている。

彼らにとっての価値を買っている」

ドラッカーの理念を実行しうる企業人がどのくらいいるか

分からないが、思想書としては極めて優れた書物だろう。

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2011年3月 6日 (日)

道尾秀介 直木賞受賞作「月と蟹」を読む

道尾秀介の作品は、いつもある種の不可思議さ、

奇妙なものを提示し、読後感は決して、いいものではなく、

感動などとは無縁のものだった。

だが、何故か、いつもまた読みたくなる。

今度はどんな仕掛けをしてくれるのか、

そう期待し、読み続けてきた。

「月と蟹」は今までの、推理物とは趣がだいぶ異なる。

少年世界だけで、描き切ったのはお見事。

10歳の目線で、物語を構築する自制力、構成能力、

そして病的にまで細かい描写の力。

この作家はまだ35歳。どんどん上手くなっている。

私が35歳の時はバグダッドにいた。

戦地を駆け回っていた。

リアルなら彼より遥かに体験はあるだろうが、

小説はリアルを創作する商売なのだ。

道尾秀介は神様に創造者の資格書を

もらっているのかも知れない。

あと10年後、村上春樹クラスの作家になっている気がする。

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