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2011年4月

2011年4月 8日 (金)

「悪人」 九州西部の風景

映画「悪人」を見る。

フラガールと同じ李相日監督なので、

悪い思いはしないだろうと、期待をもつ。

女友達を殺してしまう主人公は長崎在住、

その恋人は佐賀、殺害される女は久留米出身

殺害場所は福岡の県境。

かつて九州西部に暮らしていたものには、

胸がせつなくなる映画だった。

佐賀、久留米、長崎、福岡、私がかつて住んでいた

九州西部の風景が次々に画面に流れる。

田んぼだらけ、延々と農村が続く懐かしい佐賀。

起伏がきつく、海に遮られた長崎。

住んでいるときはなんでもなかった風景が

独特のものとして目の前に映る。

映画はこの風景に若者のやるせない姿、

ある種絶望感を重ねてゆく。

この映画は決して特定の地域を悪く描ためのものではないが、

地方都市に暮らすものの憂鬱や出口の見えない中での

もがきを伝えようとしているように感じた。

芸達者な役者たちが、一つの犯罪をめぐる人間模様を演じており、

映画としても優れたもので、

日本アカデミー賞をもらわなかったのが不思議だが、

私には青春時代を過ごした九州西部の風景が

映画を見終わっても浮かんで仕方なかった。

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